シッダールタは、やがて王になるべく、お城のなかで大切に育てられ、とても感受性の豊かな子供になりました。
大地のいのちの芽ぶきに感謝する春の祭。土が鋤(すき)に掘り起こされます。中から小さな虫が顔をのぞかせました。その瞬間、どこからか小鳥が飛んできて、虫をついばみました。小鳥は虫をくわえたまま、舞いあがります。そのとき、どうもうな一羽の鳥が、ひょうと飛来しました。小鳥は大きな鳥の餌食(えじき)です。
少年シッダールタのこころは、破り裂けんばかりです。
ある日、シッダールタはお城の東の門を出てみますと、ひとりのさびしい老人がいました。こんどは南の門ヘ。すると、痛み苦しむ病人がいます。たまらなくなって、西の門へいくと、死人が横たわっているではないか!
青年シッダールタのこころは沈みます。
シッダールタは29歳。ある夜、とうとう決心し、お城を抜け出し、修行者になったのです。
人は、生まれ、老い、病み、そして死んでゆく。この逃れられない苦しみを断ち切らなければ、本当のこころの平和は得られないのでは……。
シッダールタは、王として君臨するより、すべての人々のこころを救う道を選んだのです。
このシッダールタがお釈迦さまです。釈尊・釈迦牟尼(釈迦族の聖者という意味)・仏陀(目覚めた者という意味)とも呼ばれます。
お釈迦さまの決心があったからこそ、いま私たちは仏の教えに接することができると言うものです。
お釈迦さまの生まれた場所は、ルンビニ園といいます。現在のインドとネパールの国境近くに、今も保存されています。お釈迦さまは生まれるとき、アショカの木(無憂樹)と言う木に赤い花が咲いたと伝えられます。花に祝福されて、お釈迦さまは生まれたのです。
4月8日の誕生日を「花まつり」というのはそのためです。
